上弦の月・・・2005年8月
美しい言葉。
日本語には、時には、匂い立つような言葉がありますね。

古(いにしえ)の人は、天の川を渡す舟人を上弦の月と考えました。
七月七日。夜空に上弦の月が架かります。
織姫と彦星が出会うこの日、二人の出会いを、この月が導きます。

夜の深い闇の中に、きらめく星ぼし。
そこへゆっくりと姿をあらわす、上弦の月。
星たちのささやきを、聞き逃さないようにひそやかに滑り込んでくる月。
一年に一度の逢瀬のために、天の川に架かります。


夜、空をふと見上げたら、きらめく星たちの中に見つけました天の川。
今年の七夕は、あいにくの雨で、一年に一度の逢瀬はかなえられたのでしょうか。
ついこんなことを考えてしまいました。

(七夕の夜に雨が降れば、天の川の水かさが増します。向こう岸に渡れぬ二人を見かねて、カササギの群れが
翼を重ねて、心ばかりの橋を作るのだそう)



この間、まりえと天文館を歩いておりましたら、チラシを配る人あり。
いろいろなチラシがありますが、おばさん(自分ではあまり使いたくない言葉だけれど・・・)には若いチラシ配りのお兄ちゃんたちは、あまり手を出して差し出してはきません。

この日も、案の定、まりえにばっかりチラシが集中していて、「ちぇ、おばさんにはようなしかい。」とふてくされていると、「どうぞ!」とばかりに私にチラシが・・・・。
うううツ、やっと私のこの魅力がわかる青年が・・・と思っておりましたら、和食屋さんの案内のチラシ。『天の川』

和食ね、そうよね、若い子は食べないわよね。このお値段じゃ!!
なんてむくれておりましたが、美しい言葉を見つけて・・・。
食事のお品書きに『上弦の月』(前菜)と。こんな風に言葉をつかうなんて、素敵です。

いっぺんで、気に入ってしまいました。大人の食事の楽しみ方として、是非今度行ってみましょう。
上弦の月の出る夜に。

今宵はどんな月ですか。さあ、灯りを消して、ごらんあれ。。。
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西牟田峰男☆りえこ

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